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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー



「取り合えず…」


ナツはローの頬に手を添えると、そっと口づけた。


「先のことなんてどうなるか分からないからさ、まずは今を大事に生きて行こうよ」


そっと微笑む彼女を見ていたローの瞳が、僅かに見開かれる。
そして困ったように笑みを浮かべると、彼もまたそれに応えるようにそっと彼女に口づけた。


彼女の笑った顔を見ていると、心の不安が和らいでいく気がする。
昔からそう思ったことは多々あったが、改めて自分の中の彼女の存在の大きさを実感していた。


再びこの時代で出会えて、恋に落ちた。
彼らの身に起きたこの2度目の奇跡に、二人は感謝していた。

きっとこれから先も、何度も出会い、恋に落ちていく。
その相手が彼ならば、彼女ならば、望むところだと

2人は内心ほくそ笑んでいた。
























「で、今日の食事のメニューだが、食前30分にアミノ酸スコア100のプロテインを低脂肪乳で溶いた物を摂取。ホエーとカゼイン由来の吸収率の良いミルクプロテインにしておいた。喜べ、おまえの好きなココア味だ。サラダはかさ張るからなしだな。水溶性ビタミンとカリウムはサプリメントで補給するとして……、緑黄色野菜を中心に温野菜を……」

「いやいやいや!それはいいから!私の食の楽しみを奪うんじゃねぇぇぇ!!」


折角の良い雰囲気を消し去り、今日の献立を考案しだすロー。

彼が読んでいた本は栄養学に関する物だったらしい。
何を真剣な顔で読んでいたかと思えば……

たまにこの男の本気になる方向性のおかしさには頭を抱えたくなる。


ナツはその本を奪い取り、力の限りページを破ろうとする。
しかしローはひょいとそれを奪い返すと、しおりのページを開き
ナツの手が届かないよう立ち上がったまま、読書を続けた。

ぴょんぴょん跳び跳ねるナツの頭を宥めるように撫でるローは、長生きと言えば魚油かと一人言のように呟いていた。



そんな彼らの愉快な生活は、これからも続いて行くのだろう。























END

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