Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「ドフィ、そこまでだ」
ドフラミンゴがローへと銃口を向けようとした時、コラソンの言葉がそれを止めた。
彼の手に持たれた銃口は、ドフラミンゴに向けられている。
ナツが心配しなくても、彼は意外としっかり武器を回収していたらしい。
互いに銃口を向け合う二人の姿に、ローは目を見開いた。
過去の記憶がフラッシュバックする。
ローが夢で見た前世の記憶は、なにもナツと関わる部分だけではない。
コラソンが兄であるドフラミンゴを撃てるような性格ではないことを、ローは嫌でも知っていた。
「ドフラミンゴ!!てめぇコラさんを撃ってみろ、その時はてめぇをぶっ殺してやる!!」
ローの声が部屋に響き渡る。
まだナツと出会う前、夢の中の出来事が前世でのそれだと気付いたローは
コラソンが死んだ時よりも成長している自分の体を見て、それはそれは喜んだ。
自分が大人になった今も、彼は生きている。
前世で受けた恩は、今世でこそ返す。
ローはコラソンに育てられながらも、ずっとそんな思いを抱いていた。
ローの声は聞こえいる筈なのに、ドフラミンゴの銃口はコラソンへ向けられたまま。
「ロー、心配するな」
コラソンは笑った。
その笑顔は、まだ幼いローを宝箱に隠す時、前世の自分が最後に見たあの笑顔そのものだった。
ローは力の限りもがくが、状況は変わらない。
ドフラミンゴはそんな二人を見て、笑みを深めた。
「別れの挨拶はすんだか?……じゃぁ死ね」
ドフラミンゴの言葉と共に、その引き金はゆっくりと引かれようとしていた。
バンッ!!
鳴り響いた1つの銃声。
ドフラミンゴの手から、銃が弾き飛ばされた。