Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「……悪かった。謝るから、……そこから降りろ」
無言の戦いを続けること数分。
なんとローの口から謝罪の言葉が飛び出した。
一瞬何を言われているのか理解できなかったナツは、首を傾げる。
しかしなんとも悲痛な表情でこちらを見つめるその姿に、漸く状況を理解した。
あの院長が謝るなんて未だに信じられないが、どうやら私の自殺未遂(誤解)は、余程彼を追い詰めたのだろう。
ナツからしてみればそんなつもりなど微塵もないのだが、これは願ってもないチャンスだ。
「ここから出してくれるの?」
窓枠に乗ったままのナツが憂いを帯びた表情でそう呟く。
誤解だろうと何だろうと、せっかくのチャンスを逃してなるものか。
憂いを帯びた表情がこれであってるか分からないが、要求はきちんと伝えてから降りないと。
話を聞くふりをして、また閉じ込めようものなら今度こそマジギレしてやる。
マジギレすると言っても、別に飛び降りたりはしないが。
「……あぁ、分かった」
そして暫くの沈黙の後、漸く彼から言質を頂いた。
ナツはほっと安堵の吐くと、窓から足を降ろす。
「…だが、条件がある」
降りた瞬間を狙ったのかはしらないが、追加の要求を突きつけるロー。
ナツは思わず降りたままのポーズで固まった。
この期に及んで、一体何を要求してくるんだ。
とういか絶対降りるタイミングを狙ってただろ。
怪訝な表情を浮かべたナツは、とりあえずローに先の言葉を促した。
非常に不服だが、彼の話を聞かない事にはこの争いの終着地点が見えない。
中々主導権を握れない相手に、ナツはそっとため息を吐いたのだった。