Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
「ま、待って!本当にペンギンとは何もない。友達!荷物がなくて、帰れなかっただけで…」
ナツは誤解を解こうと口を開くが、だんだんとその声は小さくなる。
確かにお金だけ借りて、実家に帰るかホテルに泊まれば良かったのかもしれない。
だがペンギンは信頼できる友人だ。
彼だってふざけた事は言うものの、仲が良いからこその戯れだろう。
友達が困っていたから、彼は手を差し伸べてくれた。
別に疚しい気持ちなど一切ない。
そうは思っているものの、それを聞いた彼の様子を見れば
頭の中身なんて返答がなくても容易に分かる。
ローはそれを許す気はないんだろう。
ここまでくると
ローが向ける感情が何なのか、流石のナツも理解せざるを得なかった。
未だに信じ難い。
理由も事情も検討が付かない。
更には自分を誰かの身代わりにしているのかも知れない。
でもローは
私に好意を抱いている。
こんなイケメンから好かれるなど、本来は嬉しいはずなのだが、生憎のこの状況。
小躍りするどころか、ナツの表情は強張ったままだった。
完全に浮気現場を目撃されて怒られているかのようなこの構図。
しかし生憎二人はそんな関係ではない。
にも関わらず、惜しげもなく怒りを露わにするロー。
何か他の事情が、あるのだろうか。