Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
二人がエントランスに足を踏み入れると、盛大な舌打ちが辺りに響いた。
「何をしている」
地を這うような声とともに、ナツの身体がペンギンから引き離される。
自分達の帰りを待ち構えていた彼の姿に、ペンギンはため息を吐いた。
「そっちこそ何してんの」
鋭い視線を向けてくる彼に、ペンギンは呆れたような視線を返す。
ナツは己を引き寄せた男の腕の中で、顔を青ざめさせていた。
ローはあの後散々シュライヤからの説教を聞かされ
口では彼に反論しつつも少し、反省していた。
ナツに謝り、今度こそちゃんと話をしようと珍しく心を入れ換えて彼女を探していたと言うのに
それがどうだ。
彼女は別の男と一緒にいた。
躾のなってないこの女には事情を聞かねばならない。
しかしまずは、目の前のこの男だ。
目を離せば、いつの間にかナツにちょっかいを出しているペンギン。
ローの冷えた視線は、彼の瞳を捕らえたままだった。
「何しに来たか知らないけど、その子今日ウチに泊まるんだよね。返してくれる?」
ローの視線をものともせず、ペンギンはいつものようなへらへらとした表情を浮かべたままそう伝える。
そんなペンギンの言葉に、ナツはおいやめろと内心嘆いた。
確かにペンギンとの時間は楽しいものだった。
泊めてくれるのも有難い。
だがなにも、爆発してる現場にガソリンをぶちまけることはないだろう。
案の定、掴まれた腕には先ほどよりも力が籠められた。
痛いから離せと言いたいが
とてもじゃないがそんな事を、言える雰囲気ではなかった。