第5章 無神ルキ【心の壁】
らんが自室に戻った後
ユイ「ルキくん。スープもってきたよ」
ユイの手にはまだ淹れたてのスープがあった
ル「家畜もなかなか躾がなって来たじゃないか」
ルキはスープを受け取り、飲む
口の中には様々な野菜の味が染み渡る
ル「....悪くない」
ユイ「良かった(ニコ」
ユイは微笑む....
ル「はぁ....」
ルキの口から突然ため息がこぼれる
ぐいっ!
ユイ「キャッ!る、ルキくん!傷が....」
ルキはユイを引き倒す
ル「問題ない。それよりお前....
主人に対して作り笑顔を向けるなど…やはり躾が足りなかったか?」
ルキには全てお見通しだった
ユイはルキから目を逸らし....
ユイ「....ごめんなさい....私のせいで....ルキくんは....」
ユイは今まで堪えていた物を全て出すように泣いた
すると、ルキはその涙を舌で拭う
ル「このくらいの事は覚悟していた。あの逆巻相手なんだからな」
ユイ「だけど....」
(私の血がある限り…アヤトくんは....)
ガッ!
ユイ「ッ…!」
ルキは突然ユイの首筋に牙を立てた
しかし、いつものような痛みは無く、酷く甘く優しい吸血だった....
ル「お前は絶対に逆巻の奴らには渡さない。俺達の誰かがアダムになるまで…
しかし…」
俺は....ユイの事を....
いや、そんなことは有り得ない....
俺にはそんな選択は....
ふっ....結局俺は....あの頃からずっと、
自由なんて物持ってはいないんだな....