第2章 プロローグ
『……シリウスさんがかっこよすぎる。』
「あー、シリウスもかっこいいよねー。
まあ、ロキには負けるけど。」
『……いや、ロキもかっこいいけどさ……。』
「まあ、ここは競う所じゃないよね、穏便にいこうよ。ねえ、有栖ちゃん?
いや、エルちゃん??笑笑」
『その呼び方やめてくれよ。笑
っていうか、声が大きいから。みんなに聞こえる。』
「いいじゃんかー。別に、乙女ゲー好きでも、オタクでも。もっと堂々としなよ笑
っていうか、前から思ってたけど、あんたの名前が有栖(アリス)で、イケレボにハマっちゃったの、なーんか、偶然とは言えないものを感じるよねぇ~♡」
『何だそれ。笑
そんなの、偶然以外の何ものでもないだろ。笑』
「…ねえ、知ってる?こういう時の、あたしの第六感って、案外バカにできないってこと♡」
『からかわないでくれ、笑
……この名前、そんなに好きじゃないんだからさ。』
「ちぇーっ、もうちょっと面白い反応してくれてもいいのになあー。ごめんって」
『じゃあ、このパンケーキ、奢ってくれる?』
「……えぇー…?これ…奢るの…?」
『…なんちゃって。冗談だよ。笑
僕、自分のこの名前はそんなに嫌いじゃないしね。』
「もう!驚かせないでよ!地雷踏んじゃったかと思ったじゃんかー」
『ごめんごめん笑』
「それにしても、こーんなにイケメンで、一人称が"僕"の有栖が、実は女の子で、その上、乙女ゲームが大好きだなんて、誰が予想できるかしらねぇ?♪」
『…それ、誰にも言わないでくれよ?
どうやら、僕はこの振る舞いが身に付いてしまって、
君みたいにはできないみたいだからね。』
「分かってるって♡」
この時、僕は、これから起こる出来事のことなど、知る由もなかった。いや、誰も予想できるはずがない。
こんな、こんな信じられないことが、現実に起きてしまうなんて___。