第10章 IH予選
やっと体育館2階のギャラリー席に来れた。
烏野を見ておきたいんだって。
日「あっ!らっきょヘッド!」
日向くん気づくの早いなぁ。
金「らっきょヘッドって何だ?」
国「ブフッ。お前以外に誰が居る」
金「は!?」
『まあまあ。英もそんな笑わないの』
日「…と…大王様っ!!」
及「やっほー、トビオちゃんチビちゃん。元気に変人コンビやってるー?」
『なんで大王様?知ってる?』
金「知らないっす」
国「王様の先輩だから、とかじゃないんですか?」
ピースした徹の手をはじめが叩き落とすと、日向くんと目が合った。
『頑張ってね』
ヒラヒラと手を振りながら微笑むと、あ…う…と何かを発した日向くんが、ボンッとショートした。
え、嘘…ショートした?
日向ーっ!と駆け寄る烏野を見下ろしながら、はじめのジャージの裾を掴む。
『はじめ…あれって私のせいじゃないよね…?』
岩「あー…」
及「ユキちゃんはもっと自分の笑顔の威力を知るべきだよ」
あ、大地と目が合った。
『大地ごめん。私のせい?らしい』
澤「あー…たぶん大丈夫だから気にするな」
『ありがと。頑張ってね』
及「なんでユキちゃんが烏野の主将くんを呼び捨てにしてるかはこの際置いておくとして……あれっ、リベロが居るねぇ」
『西谷くん。中学でベストリベロ賞取ったらしいよ』
岩「なんかデカい奴も増えてんな」
『旭ね。烏野のエースなんだって』
溝「それと…新しい指導者…ですかね」
『烏養さん。烏野を全国に導いた名将、烏養監督の孫らしいですよ』
及「…やっぱり置いておけないっ!!」
松「なんでユキはそんなに詳しいの」
花「俺そろそろ本気で拗ねるぞ?」
岩「ユキの交友関係が広いのは今に始まったことじゃねぇだろ」
『はじめ…っ』
及「岩ちゃんは気にならないのっ!?」
岩「気にならないとは言ってねぇ」
『…成り行きだよ』
成り行きって何っ!?やら、そんなの納得できないっ!やら、ちゃんと説明して!!やら…とりあえず煩い。主に徹。
あれ?なんか前にもこんなことあった気がする…
『煩いっ!もう私あっちで見るから!』
英の隣に避難して、烏野の試合を見る。