第2章 入学式
なんで私は新入生の案内を担当しているんだろう。
『迷ってる人いないか見てきます』
よし、サボる口実を作った。
…と思ったのに。
まさか本当に迷子がいるとは。
『キミ新入生だよね?迷子?』
?「あー…はい、たぶん」
無気力迷子を発見した。
ポケットに手を突っ込んだら何かに触れたので取り出す。
塩キャラメル。朝徹がみんなに配ってたやつだ。
後で食べようと思っててそのままだった。
うーん…ま、いっか。
『食べる?』
?「はい、いただきます」
目が輝いている。
ユキは餌付けに成功した。なんてね。
『体育館あっちだから。早く行きなよー』