第7章 GW合宿
後で話せって言われたけど、合宿は忙しすぎてそんな暇がない。
夜ご飯が終わったら、部員がお風呂に入ってる間に洗濯機をまわす。
タオルとビブス、あとは個人的に頼まれたTシャツとか。
汗かく度に着替えると足りなくなりそうなんだって。
洗濯機3台フル稼動だよ。
洗濯機をまわしてる間に洗い物。
数十人の食器を洗うだけで一苦労。
たまにお風呂前の1年生が手伝ってくれるからありがたい。
洗い終わった頃に洗濯が終わるから全部干して、その後に朝ご飯の下ごしらえ。
溝口くんが暇な時は手伝ってくれる。
さすが独身一人暮らし。ちゃんと自炊してるらしくて、意外と手際がいい。
一通り終わらせてお風呂に入ると、それだけで消灯時間。
一人部屋で髪を乾かしてると鉄朗からメッセージが届く。
〈まだ起きてたか?明日よろしくな〉
《起きてたよ。こっちこそよろしく》
《あ、もしかしたら明日迷惑かけるかも》
今日のあの感じだと、直接鉄朗に聞く可能性が高い。
〈ユキが?〉
《私ってより、うちの部員かな。3年の》
〈なんで3年?〉
《私たちが連絡取ってるのが疑問らしい》
《時間なくて、偶然知り合ったとしか言えてないし》
〈ふーん、なるほどねぇ〉
…あの、食えない笑顔が頭に浮かぶ。
《何か企んでる?》
〈べっつにー〉
…絶対企んでるでしょ。
《まぁいいや。明日校門まで迎えに行くから。おやすみー》
〈おう、頼むわ。また明日な〉