第7章 GW合宿
?「俺は黒尾鉄朗。高3。そっちは?」
『岡崎ユキ。私も高3。黒尾くんは…』
黒「鉄朗でいいよ。俺もユキって呼ぶし」
『わかった。で、鉄朗は遠征か何か?』
黒「なんでそう思った?」
『見たことないジャージだし、土地勘ないみたいだし』
なるほどねぇ。と意地悪そうな笑みを浮かべる鉄朗。あ、コイツ食えないタイプだわ。
と、突然鉄朗のスマホが鳴った。
ちょっと悪いな。と言って電話に出る鉄朗は、根は真面目なんじゃないかと思う。
…ん?ジャージのズボンに高校名入ってる。
"NEKOMA VOLLEYBALL.C"
黒「……はあ!?」
突然の大声に少し肩が跳ねた。
黒「…なんスか、それ。急に…はい。はい、わかりました」
なんか問題があったのかな?眉間に皺が寄ってる。
『なんか問題あり?』
電話を切った鉄朗に訊ねる。
黒「今日から連休中毎日練習試合組んでたんだけどさ、明日試合する予定の学校が急にキャンセルしたらしくて…」
せっかく東京から来たのにだぜ?と不機嫌そうに答える鉄朗に、
『"ねこま"って東京の学校なんだ。…強い?』
挑戦的な目で聞いてみる。
黒「…強えよ」
私と同じような挑戦的な目で答えた鉄朗に、自然と口角が上がる。
『ふふ、じゃあ私、監督に交渉してみるね』
は?とハテナが浮かんでいる鉄朗に、改めて自己紹介する。
『青葉城西高校男子バレー部マネージャー岡崎ユキ。改めてよろしくね』
連絡先を交換すると、ちょうど交差点に差し掛かる。
『ここ右に行って、あそこのフェンスのとこ曲がったらすぐだから』
じゃあね。と左に向かって歩こうとすると、ユキ!と名前を呼ばれると同時に右手を引かれる。
黒「あのさ…試合の事以外にも、普通に連絡…していいか?」
一瞬キョトンとしたけど、
『もちろん。もう友達でしょ』
笑顔で答えれば、さんきゅ。と、鉄朗も笑った。