第11章 【徳川家康】落ちると下りるは速度の違い(裏)
家康様が徐ろに、手を伸ばし。
たぷり、と胸の双山の一つを揺らした。
自分でも気付かないうちに、立ち上がっていた先端。
間接的なやわい刺激なのに、ひう、と泣きそうな声が上がった。
彼の指摘通り、舌が、口が、指が進むにつれ、熟していた身体に漸く気付く。
「…たくみのそんな声、初めて聞いた」
「そりゃーそう、です…希少価値高いです、よっ」
家康様がそんな風に話す、息が皮膚に触れるだけで。
ひくり、とその箇所が震えるような心地。
興奮からか、息が上ずる。
でも、もう恥じらっている余裕も無い。
「そうだね、もっと聞きたい」
家康様がまた、頭を下げる。
まるで待ち望んでいるかのように、胸の飾りが、期待で揺らめく。
「ひ、ぁ、なんでっ…!!」
家康様の下は先程の続き、とでも言うように脚の付け根をすぅっと掠め。
しかし中心には手も触れず、そのまま脚のラインをなぞっていく。
勝手に期待しただけなのに、裏切られたような気分で。
熱を持った目尻から、じわりと涙が滲む。
家康様がちらり、と、私の表情を窺うように半笑いの顔を上げた。
「なんでって、何が?気持ち良いところを探してるんだよ」
「だって、私だけっ…なんでこんなっ…!!」
勢いで声を上げると、どんどん気持ちも昂っていく。
なんで私だけ、こんなになってるの。
なんで家康様は、そんなに余裕なの。