第11章 【徳川家康】落ちると下りるは速度の違い(裏)
やられっぱなしは性にあわないし、
自分だけ余裕が無いのがなんだか悔しいし、
やたら機嫌よく笑っている家康様をなんとかあっと言わせたい、
そんな子供めいた悪戯心が湧き上がってくる。
一先ず目の前にあったその手首を捕まえ、はむり、と人差し指を口に含む。
小袖の袷を割り、脇から横乳へと到達していた彼が、驚いたように顔を上げたのに少し溜飲が下がる。
「…そんな手練手管、どこで覚えてきたのさ?
悪い子だね」
ちゅーちゅーと吸い付いてみたり、指の股から先までなめあげてみたり。
まるで口淫のようなはしたない行いを、家康様は自分の動きを止めてじっと見ている。
見せつけるように目を合わせながらじゅ、っと吸い上げると、続けて、とほんの少し掠れた小さな声。
嬉しくなってまたはむり、と大きく口に含むと、家康様もまた動きを再開する。
胸の膨らみの外周を沿って、薄く筋の通った腹のど真ん中を下り。
お臍の辺りでつん、と舌でつつかれて、思わずくぐもった声が上がる。
「むぁ、う!」