第10章 【徳川家康】落ちると降りるは速度の違い
※以下、小次郎 様に許可を頂きまして
本作への評を転載させて頂きます。
こちらを含めて本作だと思ってほしいほど…
足りない部分を補完してくれる、ほんとに素敵なレビュー。
私もこんな風に、書き手様に力を与えられるようなレビューを書きたいものです。
小次郎様宅の掲示板に載っけて下さったので、そのままこぴぺどーん!
さくちか様著【イケメン戦国】短編集に寄せて。
れびゅー完全版。(書き忘れを思い出したら遠慮なく続きを書きます)
さくちか家にお嫁に出たタクミさん。色に染めてもらい、たくさん可愛がってもらいました。
ほんの数日のやりとりを繊細に、ぎこちなくも互いの心が溶けて柔らかくなりほぐれていく様子が、鎧戸締め切りの部屋、光に輝く虹のかかる滝、うしろ髪ひかれ隊の抜け感等の様々な物事や人を通して描かれています。当人たちの心中はもちろんですが、小道具を巧みに使って表現されているのです。
最後のわさび、庭にはきっとうしろ髪ひかれ隊が潜んでいたんじゃないかなんて私は考察しています。そういった背景の表現に作者が何を伝えたいのか、というところを想像しながら読むとより一層深く二人の心を知ることができますよ。
例えば、先ほども記述しましたが、鎧戸締め切りの部屋は二人の心を写し、差し込んだ光はここから何かが起こるということを予感させます。
虹のかかる滝は、聡明さや先見の目を持つ彼の、これを持ってして大事な人へ心を届けたい、といった深層の優しさを表している事を感じさせてくれます。
描写の一つ一つが布石と感じるのは私が物を書いているせいかもしれませんが。