Delicate love * pink *【気象系bl】
第2章 離れる、なんて。( S*J ver. )
それを考え始めると、どうしても心が蝕まれていてもたってもいられなくなる。
翔くん。
ねぇ、翔くん。
思わず目の前の翔くんに手を伸ばす。
恐いよ。
翔くん。
そんな俺をみて少し戸惑いながらも、伸ばされた俺の手をとって指を絡め、ぎゅっと握ってくれる。
あたたかい。翔くんの体温。
「おまえ、なに泣いてんの。」
そっと、俺の目尻を拭う。
あぁ、俺泣いてたんだ。
「何考えてたの。潤」
体の動きを止め、真剣な表情で俺を見つめる。
強い目。
大好きな、表情。
何も言えなくなった俺を覗きこんで、「話して?」と囁く。
俺はふぅ、っと息を吐いて
ぽつりぽつりと不安を吐き出す。
もう俺にはあなたのいない日常は考えられないんだよ。
だからこそ、抗えない不安の塊に押し潰される。
ねぇ、翔くん。
どう思った?
俺のこの、重くて暗い不安を、
どう思ったの?