第3章 縁側と団子と幸せと(薬師視点・幸村・佐助)
「大丈夫?みんなの薬作りで疲れてるんじゃない?明日は健康診断してもらう予定なんだし、今日は午後からゆっくりしたら?」
「そうでござるな。薬師どのに何かあっては、上杉殿に申し訳が立たぬ」
「大丈夫ですよ。それに健康診断はともかく、薬作りをやめるわけにはいきません。少しずつ作っておかなければ、いざというとき大変でしょう」
それに薬作りは、私の趣味でもありますし。
BASARAを使用した効果の強い薬は、とっても良い稼ぎになるんですから。
「あんたも、なかなかの仕事人間だよね」
「立派でござる、某も見習わねばな」
佐助さんの苦笑混じりな言葉はともかく、幸村さんの純粋な眼差しが眩しくて目に痛い。
すみません、邪な気持ちでいっぱいでした。
「じゃあ、俺様は通常の仕事に戻りますか」
「ああ。ご苦労だったな、佐助」
「佐助さん、お団子ありがとうございました」
「どういたしまして」
ニッと口元に笑みをのせて、佐助さんはいつものように見事にその場から姿と気配を消した。
忍ってすごいですよね。
私にはたとえ、天地がひっくり返ったとしても真似できない芸当です。
「夢姫どのは、まだ時間はあるのだろうか?」
「ええ、薬作りは時間を決めているわけではありませんから。何かありましたか?」
「いや、とくに用があるというわけではないのだが……ただ、もう少しそなたと庭を眺めたいと思ったのだ」
「そうなんですか。私でよければ、気のすむまでお付き合いしますよ」
甲斐に来ているときにしか、幸村さんとはお話できませんし。
普段はこれでも、なにかと忙しいお方ですからね。
「そうか、よかった」
ふわりと珍しく大人びた顔で笑うから、不覚にも胸が高鳴った。
これがギャップ萌えってやつなんでしょうかね。