第20章 IF遙か3〜復活編1(薬師視点・凪(クローム髑髏)・骸)
気がつくと、辺り一面真っ白な世界でした。
いったい、ここはどこなのでしょうかねぇ・・・などと、のんびり考えていると。
どこからか風が吹いてきた。
「とりあえず、向こうに歩いてみますか」
こんなところでじっとしていても、何も変わらなさそうですし。
それにしても、私はたしか『龍神の神子ご一行様』の一員として熊野に来ていた筈なのですが・・・。
もしかして、夢ですかね?これ。
夢といえば・・・今日辺り、望美さんの幼馴染みで譲さんのお兄さんである・・・・・・・・・ん?
えーと、ま、まさふみ?・・・いや、違いますね。
ま、まー、まちゃあき・・・これは絶対に違う。
まー、まさ、まさ、あー、いー、うー、えー、お・・・・・・・・・おお!
そうです、まさおみ、将臣くんですよ!
ふふふ、やっとすっきりしました。
そう、今日は望美さんが夢の中でだけ会っていた・・・今は平家の還内府である彼と出会う予定だったというのに。
・・・・・・あれ?もしかして、そのせいですか?
私が曖昧だとはいえ、迂闊に喋ってはいけないことを知っているから。
こんなわけのわからないところへ、飛ばされてしまったのでしょうか。
そんな、いくら私でも言っていいこととマズイことの区別くらいつきますよ?
事情を知りすぎていることがバレたら、平家と源氏のどちらからも怪しいと、新たな敵認定されかねませんからね。
それはごめんです・・・・・・・・・ただ、うっかり口を滑らす可能性も否定はできませんが。
ふぅ・・・これ以上ややこしいことは遠慮したいのですけれど、仕方ありませんね。
ああ、でも。
この白い世界の先が、謙信様のおられるBASARAな世界へと続いているのなら。
大歓迎なのですけれど。
「そんな都合よくいかないですよね、やっぱり」
それまで白しかなかった世界が、ある一線を境にして鮮やかに色づいた。
緑のきれいな草原。