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おにぎり

第1章 おにぎり


「……とりあえず、歩こうか。あやの可愛いとこ他に見られても困るしよ」
「え…?」

考えてる間に紅郎くんに手を握られて、驚いてる間に歩いていた。
手を握ってくれたのいつ以来だったかな…紅郎くんの手、おっきくてあったかいな…夢なら覚めなくていいのにな。

「おにぎり」
「え?」
「よく作ってるのか?」
「あ、うん…」
「今度はよ…その、直接くれねぇか?」
「え…いいの? 作って…」
「あやの飯、美味いし…夕飯前とか腹が減るからよ…勿論あやがよけりゃだが…」
「ううん! 作る! 毎日でも! あ、ごめん…騒がしくして…」

思わず大きな声を出してしまって、謝ると紅郎くんに笑われてしまった。

「ありがとな。そうだな、悪りぃが朝に家まで来てもらっていいか?」
「え、でも、忙しくない?」
「いや…その…俺が寝坊する時あるからよ…あやが来てくれると助かる…」
「…紅郎くん、また夜更かし?」
「気をつけてはいるんだがな…ダメか?」
「……いいよ。毎日起こしに行ってあげる」
「あ、朝飯は一緒に食おうぜ?」

申し訳なさそうに言う紅郎くんがらなんだか可愛くて、私も毎日でも会えるのならとつい了承してしまった。あ、でも、妹さんに変な目で見られるかな? 一緒に遊んだことはあるけど、いきなり毎朝会うとか大丈夫かな?
それからは他愛のないお話をしながら、紅郎くんに家まで送ってもらった。
次の日から紅郎くんの家に朝からおにぎりを持って行くようになった。
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