第5章 5
「あ、鍵あったアル!」
神楽が勝手に立石の部屋の鍵をあけはじめる
途端に泣いていたはずの銀八が元気になった
「さて、朱音を中に運ばなきゃな~」
…ただ部屋に入りたいだけなんだろ
俺たちは中に入った
初めて入った立石の家には何もなく、必要最低限の荷物しか無かった
一つだけあるとしたら立石自身が小さい頃の昔の家族写真
父親と立石と、母親
母親の話は親父に聞いていた
「お、朱音は小さい頃も可愛いなぁ~。母親似なんだなァ」
ふと気付けば銀八が隣にいた
「お前さ、朱音がたまにあんな顔する理由、知ってんだろ」
辺りが静まったのに気付き見回すと、神楽やトシ、総悟も俺を見ていた
俺は知っていることだけを話した
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