第28章 28
『別に好きじゃないよ!いや、好きだけど…それは友達として、ってことで…』
…面白くねェ
『…晋助?』
「…何でもねェ。…寒ィな、戻るぞ」
今は2月に入って数日
冬の寒さがピークになる時期だ
だが俺はこれを
言い訳に使った
朱音に俺の幼稚な心を見透かされそうだった
嫉妬という名の馬鹿みたいな感情を
『晋助っ!』
朱音に呼ばれて振り替える
『あたしは晋助のこと、大好きだよっ!』
心の中の黒い何かが晴れていったような気がした
「…クククッ…そうかよ」
コイツといると自分を保てる
コイツといると
心の底から安心できるんだ
→