第25章 25
「叔母さんからあの人がいつも俺の話をしていたと聞いて、少し救われた気がしたんだ。勝手に俺が思っているだけなんだけどな」
『そんなことないよ!為五郎さんはトシのこと大好きだったんだよ!ずっと二人は繋がってたんだよ!』
「…朱音ならそう言うと思ってた」
トシはフッと笑うとゆっくりとお墓の前で手を合わせた
あたしもそれに続き、拝む
トシを護ってくれてありがとうございます、と
「…ずっと朱音をここに連れて来たかった」
『…え?』
トシの真剣な眼があたしを捉える
「前…体育館に閉じ込められたときによ、話してたじゃねェか。もう諦めたみたいな。…諦めることは決して間違いじゃねェけどよ、少しは足掻いてもいいんじゃねえのか?それで変わることもあるかもしれねェ。って俺が偉そうにいう事でもねェがな」
優しそうな顔で笑う
→