第18章 18
「俺は知りてェよ。今まで朱音がどんな人生を送ってきたのかを。楽しい思い出なら一緒に共有したいし、辛い思い出なら一緒に胸を苦しませたい。だからどんどん話してくれ。そんでごめんなんか言うな」
こんな小さい身体に似合わず、大きく重い過去を背負っているんだ
「少しでもいいから、お前を苦しめるモノを俺にも分けてくれ。少しでもお前にかかる負担が軽くなるなら、俺に投げつけてくれ」
朱音は弱弱しく俺の襟元をキュッと握る
『…ありがと』
か細い声で、しかしはっきりと心に届く声で言う
「おぅ…」
さっきより少し強く抱きしめる
「ゴホン!」
第三者の咳払いにその音のした方を向く
「…ただいま」
そこのは笑顔の俺の親父と
顔を引きつらせながら笑顔を作る
朱音の親父さんがいた