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第18章 18



『…あたしは今まで人を好きになったことは一回しかないんだ。だから恋っていうモノが何なのかよく分からないの』

頭の中にそいつがいるように、思い出しては喋っている、そんな感じだった

『その人のことは純粋に好きだった。だけどその人はあたしのことが好きじゃなかったみたい。そう気付いたらあたしの心もどんどん離れていったんだ』

胸の前で手をキュッと握る

「…なんで好きじゃないって思ったんだ?」

『…その人はあたしの周りの全てを壊していったから。あたしの全てを破壊してもなお楽しそうだった』

まただ

切なそうに笑う、あの表情

『って、葉にこんな話をしても困るだけだよね!ごめん!』

たまらず俺は朱音を抱きしめていた



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