第17章 17
『あたしに話してくれたってことは、神楽の気持ちを引き寄せることが出来る、そう言ってるんだよね』
気持ちを引き寄せる?
そんな甘いモンじゃねェ
「奪ってやりまさァ」
朱音と俺の顔が二ヤッとする
『それを聞いて安心したよ。あたしに手伝えることがあれば何でもするからね!』
朱音の表情が今度は満面の笑みへと変わる
一瞬ドキッとした
俺がフリーだったら確実に好きになっていたかもしれねェ
それにしても表情がコロコロ変わる女だ
確かにこれは飽きねェかもな
もう外も暗くなり、朱音を送って家路についた
空には冬の綺麗な空に星が煌めいている
この星の数だけ俺にもチャンスがある
そう信じて