第12章 -上には上がいるという事-
「……」
えーと、立海は8人で、氷帝は……
「うがぁあああ!」
「どうしたん?急に」
「主にお前が原因だ!何なのじっと見て!集中出来ないっつーの!」
「いやぁ、あんまり美琴がかいらしゅうて」
は?貝?なに言ってんの。
「私は貝ではありません」
「貝?ちゃうて。かいらしいは方言やで」
「あ、なんだ。じゃあ出てって下さい」
「じゃあの使い方間違ってへん!?」
いいえ、私にとっては正解です。
無理やり忍足を追い出すと作業を再開した。
数分後、人数分のドリンクを作り終えた私はまず立海に持っていく事にした。
どうやらまだ試合は始めてないみたい。
「さぁ美琴様が直々に作ったドリンクを飲むが良い!」
「お前さんいつからそんなキャラになったんじゃ?」
「なんかムカつくぜぃ」
ふん!普段から散々な目に遭ってるんだからこれぐらいのキャラは許されるでしょ!
「さぁさぁ、さっさとお飲み……っ!?」
「それは誰に対して言ってるのかな?」
振り向いた先にいたのは紛れもない魔王……幸村だった。
私のこめかみに食い込んだ指が痛いです。この細い指でどこにそんな力があるんだ……っ!
「フフ。もっと強い方が目が覚めるかな」
「もう十分目が覚めました!だから放してぇえええ!」
「チッ」
放した途端舌打ち!?
恐らく赤くなったであろうこめかみを解して、次に氷帝が集まっているコートに向かう。
「はいドリンクとタオル。ここ置いておくね」
「なんややけに静かやな、美琴」
「本当名前呼びとか止めて下さい」
「なんで敬語なん!?」
そりゃ敬語にもなりたくなるわ。私はこれ以上テニス部とは関わりたくないんだよ。
「有士ー!そろそろダブルスの試合始めるってよー!」
「あぁ、岳人。今行くわ。ほなまたな」
「いいから逝ってこい」
一回後頭部にボールぶつかれば良いのに、と思いながら忍足を見送った。