第12章 -上には上がいるという事-
立海も変人だと思ってたけど、氷帝も相当な変人だな……。
「よし、時間通りだな。それじゃ試合始めるか、あーん?」
語尾にあーん?ってなんだよ。お腹減ってんの?
「その前に紹介するよ。マネージャーの瀬崎美琴さん。何でもやってくれるからコキ使っていいよ」
幸村に背中を押され、泣きボクロの前に出される。
そんな扱い!?ってか私一人でこんな大勢の変人達の世話をしなきゃいけないのか!
「立海にしては珍しいじゃねーか。マネージャー雇うなんて」
「そうだね。練習試合も近かったし、色々と雑用も引き受けてくれるよ」
「俺は跡部景吾だ。迷惑かけるんじゃねぇぞ?」
「はいはい。よろしくしたくないけどよろしく」
俺様系跡部にイラッとしながら軽くあしらって挨拶した。
紹介が済んだ所で私は跡部に教えてもらった部室へ行き、ドリンクとタオルを準備する。
「氷帝の分まで用意するなんて……。立海だけでも容易じゃないのに。あれ、ダジャレだ」
「ぶぷっ」
ダジャレが口に出て、自分以外の声が部室内に響いた。
「誰?」
「はは!堪忍なぁ、あまりにおもんないダジャレやったから」
振り向くと丸眼鏡のエセ関西弁の人がいました。
なんか独特のフェロモンを感じる……。
「私だってつい言っちゃっただけで、常にダジャレを言ってるんじゃないんだからね!」
「あぁ、分かっとるって。自分、ギャグセンスなさそうやし」
「それ失礼だな。その通りだけど」
「おもろいなぁ」
どっちやねん。あ、うつった。
「っていうか誰?」
「すまん、自己紹介が遅れたなぁ。俺は忍足有士や」
「私は瀬崎美琴」
「ほな美琴。よろしゅう」
了承もしていないのに名前呼びだ。止めていただきたい。
そんな忍足を無視してドリンク作りに取りかかる。なんか隣で見てる……
「何?」
「ん?跡部に頼まれて様子見にきたんや。サボらんように」
「あんのホクロめ……」
別に見張り役来させなくても私はやるっつーの!何せあの魔王様が背後にいるのに!
「ぶっ」
「今度は何よ」
「いや、跡部にそないな事言える子は初めてっちゅーか……ホンマ飽きないなぁ」
「むしろ飽きて。そんでどっかいけ」
「ええやんか」
良いわけあるか。
私の隣で机に肘を付き、顎を乗せてる忍足を見て溜め息を吐く。