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魔王様率いる愉快な下僕達

第10章 -いじめ、ダメ、絶対-




キーンコーンカーンコーン

「あっ……ご飯食べ損ねたああああ!!!!」

あの後輩ども絶対ギャフンと言わせてやる!


私はご飯も食べないまま午後の授業に臨んだ。途中で何度もお腹が鳴るのを手で押さえるが意味はない。

「よし、今日の授業はここまで。ちゃんと予習しとくんだぞ」
「はーい」

先生の合図で私は早速食べ損ねた弁当箱を開けた。

「いっただきまーす」

もうテニス部とかどーでも良い。全てはテニス部のせいだし。
玉子焼きを頬張ると、口いっぱいに甘さが広がった。

「んー美味しい!」

あー幸せー……。

「お前何してんだよぃ」
「ぶっ!ゲホッ、ゲホッ……ま、丸井?」

私が幸せに浸っていると突然後ろから丸井が話しかけてきた。

どうして丸井がここに!?

「何で弁当食ってんだよぃ?」
「お昼にご飯食べ損ねたの。アンタ達のせいでね。それより何でここにいるのよ」
「幸村に連れてこいって言われたんだよぃ」

チッ。またあの魔王か……。

「……」
「ん?なによ」
「美味そうだな、それ」

丸井の目線は私の食べかけの弁当に向いていた。
なんか嫌な予感がするんだけど……。目輝いてるし。

「その唐揚げ美味そうだな」

やっぱりかぁ!

「絶対あげないからね」
「一つ位良いじゃねぇか」
「駄目に決まって……って、ちょ!」

丸井は私の制止も聞かずに最後に取っておいた唐揚げを素手で取ってそのまま口の中へ消えていった。

私の大好物が……!

「美味ぇ!これおまえが作ったのか!?」
「そうだけど……っていうか私の力作の唐揚げをよくも食べてくれたわねっ!」
「なんだよぃ、別に減るもんじゃねぇだろぃ」

いや減ってるから!確実に私の唐揚げがアンタの腹の中に収まっちゃったよ!

丸井と私が言い合っていると、急に誰かに触れて見られているような視線を感じた。

っ!なんか悪寒が……。

「どうしたんだよぃ。早く部室行かないと幸村に怒られるんだよぃ」
「わっ、分かったから引っ張らないでよ!」

半ば丸井に引き摺られる形でテニス部部室へ向かった。





















「……ホント、学習しない奴」

その声は誰にも聞かれずに無人の廊下に響いた。
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