第9章 期末テスト
部活後、着替えて仁花と一緒にいると皆が部室から出てきた。
「おいおいおい、ウシワカが世界ユースに入ってら…」
孝支先輩がスマホを見ながら呟けば、
「日本代表!に!ウシワカ!」
と翔陽が騒ぎ出す。
飛雄も驚いているけど、
「そんなに驚くこと?優希だって世界ユース入ってたじゃん」
蛍が言えば、飛雄と孝支先輩のスマホ画面を覗き込んでた翔陽は、バッとこちらを振り向く。
「ジャパン!」
「え、あ、そうだね」
意味が分からないけど同意すれば、
「やべぇな!気合い入るな!」
と、今度は仁花に向かって言う翔陽。
「うえっあっうん…」
「もしかしてさ、お母さんに言われた事気にしてんの?」
「う…あ、いや…」
「じゃあさ、言えば?」
そう言うが早いか、翔陽はあっという間に仁花の手を引いて走り出した。
「あーあ、行っちゃった」
「日向足速いからなぁ。谷地さんは大丈夫かな?」
「大丈夫なんじゃないですか?でもこれで仁花が本入部してくれるといいですね」
私の独り言に返してくれた孝支先輩にそう言って、さぁ帰りましょ。と皆を促して帰路についた。