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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第4章 告白〜放課後の教室で〜 (月島 蛍)


月島君はいつも不機嫌だ。

私が失敗するたびに失笑されるし、呆れた顔なんて毎日片手じゃ数え切れないくらいされている。

でも、私は知っている。
本当に困った時はさりげなく助けてくれる事。

いつか、私も月島君の役に立ちたい。
無謀かもしれないけど…。

「ちょっと皐月さん、そのプリント間違ってるよ。君のミスのせいで僕の仕事が増えるの…迷惑なんだけど。」

月島君がいつもの呆れ顔でこちらを見た。

「あぁ…ごめんなさい!すぐに訂正します!!」

プリントに書かれた項目を慌てて消しゴムで消そうとすると、力加減を間違えて手元でビリっと聞こえちゃいけない音が聞こえた。

「はー。何やってるのさ。僕がやるから貸して。」

月島君が私の手元からヒラリとプリントを取り上げていく。

「わー、ごめんなさい。」

月島君とはクラスと部活が一緒なのに、残り物を押し付けられた委員会まで一緒で…学校にいる間中、朝から晩までご迷惑をお掛けしている。

最初は常に眉間にしわを寄せてる月島君に、とんでもない人と部活や委員会まで一緒になってしまったものだと思った。

そう言えば、影山君や日向にも同情されたっけ…?

でも、今はあの頃とは違って、月島君を怖いと思うこともない。

いつもミスばっかりの私を悪態つきながらもフォローしてくれる…月島君は本当は優しいって気付いてたから。

「皐月さんはドジばっかりなんだから、大人しくそこに座って僕の事見てなよ。」

どんなにドジをしたって、口ではともかく絶対に邪魔扱いはしない。

誰も残っていない教室なのに、月島君が律儀に自分の席へ移動して席に着く。

「あっ…うん。私、月島君見てるの結構好きなんだ!」

机を挟んで前の席の椅子を引いて座ると、月島君がジッとこちらを見て来る。

私が月島君を見てる事はよくあるけど…月島君が私を見る事なんて珍しい…。

そう思うと、何だか顔が熱くなってくる。
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