第1章 ハイキュー!!音駒
「……わかった。二人とも、今自分が言ったこと覚えておきなよ」
やけに真剣な顔をしてそう言うと、再びゲーム画面に視線を戻す研磨くんを見て。
家まであと数十メートルな道を歩きながら、クロと二人並んで首を捻ったのだった。
+ + +
翌日の放課後、それは部活前のこと。
男子バレー部の部室では、ちょっとした騒ぎが起きていた。
「山本、お前どうした?顔真っ赤…いや青…なんか変だぞ」
「……じょじょじょ女子からっ、手紙をもらってしまいました…!!」
「……かわいかった」
「福永が喋った!?」
「もう俺は終わりかもしれない…」
「…いっそ今すぐ滅亡すればいいのにな」
「夜久が弱気にっ…!」
「海が黒い、だと…?」
「猛虎さんっ、この恋愛小説貸すから参考にして!」
「犬岡っ、俺にもなんか貸して!できれば男同士のがいい!」
「犬岡くんが本を読むなんて…!!」
「リエーフがヤバいこと言い出した!!」
……なんだこの混沌(カオス)。
「なあ、クロ……」
「言うな、筑流……」
「……ねえ、二人とも…ありえないこと起きまくってるんだけど」
背後に現れた研磨くんの言葉に、ビクッと肩を揺らしてクロと目を合わせる。
「はは、まさか、なぁ?クロ」
「はは、おう、んなワケねえっての」
「……往生際が悪いよ。ちゃんと責任とって」
――…数時間後。
なんかそれぞれ、みんな色々と誤解だったことがわかって一件落着した。
「福永が珍しくみんなの前でしっかり喋ったことについては、どう説明するの?」
……ひとつの謎を残して。
Mystery end...?
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リエーフ&リエーフ姉アリサさん夢かと思わせておいて、やっぱり研磨と黒尾がおいしいところはかっさらう。
それにしても、筑流くん含むこの幼馴染み三人組…みんな素直じゃない性格してる。
夜久は安定の男前、そして謎の福永オチ。
ちなみに山本が貰った手紙の内容は黒尾への橋渡し、夜久は朝からとことん運が悪くドジってばかり、海は黒光りする害虫タフネスGについて考え、犬岡が持っていた恋愛小説はクラスの女子から普及の為に押しつけられた物で、リエーフはもちろん筑流くんのせい。リエーフ姉さんは本当は美人でかわいい人です…。