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まだまだ青い白鳥たち

第1章 これからもずっと


「あー…。リカコ(諸越)は上手いし、練習が最優先なの。だから雑務は私が引き受けたんだ。」
「…。そうか。」


牛島は納得いってないような声だったけど頷いてくれた。私は天才タイプの選手ではなくて。苦手なプレーは努力でカバーするしか能のない人間だから、天才達をサポートしなければならない。


「…緑川。俺たちは一年だからレギュラーに入れるかはまだ分からないが…。インターハイに全力を尽くそう。」
「何言ってるの。牛島は絶対レギュラーでしょ!」


またメールするね!と言って、私は体育館を後にした。白鳥沢女子バレー部は男子に比べるとそこまで有名チームではない。全国大会出場は過去何回かしているけれど、ここ最近は毎年ベスト8止まりの中堅チームといった感じだ。


しかし伝統ある学園の運動部だ。上下関係はしっかりしていながらも和気あいあいとした、いいチームだと私は思う。


「なつみ~!!!ごめん!!!歓迎会の準備係引き受けてくれたんだって!?」
「リカコ!?」


突然後ろから抱き着いてきたチームメイトにビックリしていると、いきなり謝られた。リカコはしっかり者なんだけど、バレーをやることが何よりも大好きな子で。人望もあるから一年生のリーダーにも抜擢されたんだけど…。なんというか事務的なことに一切才能がない。


「平気だよ。牛島も手伝ってくれるって言ってくれたし。」
「か~~~っ!また牛島!!あんたにいいところ見せたくて必死だね、あの男も!」


くくくっ…と笑いながらリカコは言うけれど、牛島に限ってそんなことは絶対にないと思う。


「もー、牛島がそんな奴じゃないことはリカコも知ってるでしょ!」
「バカだねー、なつみ!!牛島だってただの男子高生ですぅ!」


そりゃ牛島だって男子高生なのは分かってるけど、私に対して何かの感情を持っているとは絶対考えられない。基本無表情だし、皆に平等に優しいし。


「早く付き合っちゃいな!春高で全国とか行っちゃったらもっと人気出ちゃうよ?」
「はいはい。バカなこと言ってないで、リカコも買い出し付き合ってよね。」
「げっっ!!!」


嫌がるリカコを引きずりながら、スーパーへ買い出しへ向かう。牛島の言葉に甘えて、重たい飲み物類は男子バレー部に任せることにした。
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