第10章 禁忌を犯すもの
ファイ軍医から貰ったからの封筒を開けてみた。
そこには、からの手紙が入っていた
ロイへ
突然居なくなることを許してください。
私は、今のままじゃ何も出来ないと思いました。
今回のイシュバールで、なにもできなかった。
あなたを守るどころか、守られてしまった。
私は強くなりたい…だから、少し旅に出ます。
あなたの顔を見たら、きっと決心が揺らいでしまうから…
さようなら、また絶対…強くなってあなたに会いに行きます。それまで、リザを宜しくね。
「はぁ…お前は私に守られていればいいのに」
そう呟いた私の声は誰の耳にも届くことなく消えていった。