第3章 大切な二つの贈り物~二つで一つ~
「家康、秀吉さんからの手紙何だったの?」
「うん・・・、信長様に謀反を起こそうとしてる大名が何人かいるらしいんだ。それを討伐するのに集まって欲しいって。」
「じゃ安土にしばらくいる事になるの?」
「多分ね・・・」
「じゃぁ今年のクリスマスは家康居ないんだね・・・」
ちょっと寂しそうな顔をする歌恋に慌てて家康は、手紙の続きを話した。
「手紙には続きがあって、長引くかもしれないから今年のクリスマスは安土城でやらないかって。」
「えっ?安土城で?」
秀吉の手紙によると安土城の主である信長が、可愛い孫と過ごすと決めたらしく、歌恋や子ども達も安土に来るようにと・・・。
「ふふ、信長様らしいね。じゃ、今年のクリスマスは賑やかになりそうだね。」
二人とも信長の事は『おじい様と』呼び、信長自身も孫にはメロメロ。
孫にはここまでかと言うほどの甘さに家康は少なからず?かなり?頭を悩ましていた。
「信長様が二人に『ぷれぜんと』を用意するから何が欲しいか聞いておくようにって・・・」
(それなら自分で聞けば良いのに・・・)
そう心の中で思ったが、珍しく?あえて口にせずに安土に行く支度を歌恋と始めた。