第4章 クリスマスパーティーと二人の逢瀬~
歌恋side
あと少しで家康の晴れ着が完成する。
最後の最後で家紋の刺繍糸が足りなくなり出来ず、買いたせたのはつい5日ほど前。その後からは家康も一緒にいられることが多くて中々仕上げられなかった。
10年の記念のクリスマス。
500年後の世界から来て、弱くて何も出来なかった自分。
逃げ出すこともあったけど最後はやっぱり家康が助けてくれた。
側にいるうちにだんだん惹かれていった。この人の側にいたいと思う気持ちが強くなった。
両思いになってからも色々あったけど、信長様や他の武将達のおかげで今こうやって夫婦としていられることが出来る。
いつ戦で生命を落とすか分からないようなこの時代。でも家康は平和な江戸幕府を築いていく歴史的にもとっても大事な人。
そんな人の妻になるなんて信じられなかったが、宝物を与えてくれた。
『駿』と『桜花』
二人の子ども達はかけがえのない大切な宝物。家康が与えてくれた宝物。
家長として厳しいところもあるけど、子ども達にたくさんの愛情を注いでくれ、家族を大事にしてくれる。
そんな優しいところは何年経っても変わることは無い。
子ども達だけでなく、私の事も…。
だからこそ、10年分の思いを込めて作りたい。