第3章 大切な二つの贈り物~二つで一つ~
それからしばらくして、家康が城に行く前に歌恋の姿を見てから行こうと思い、御殿に寄って見ると・・・
家康「歌恋?歌恋?」
(あれ、いないのかな・・・?湯浴み済ませて部屋にいるはずって言っていたけど・・・)
呼びかけても返事が無いため襖をそっと開けて見ると・・・
家康「歌恋っ!?」
机にもたれかかっている歌恋の姿があり、家康が慌てて声を掛けると・・・
スースースーと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていただけだった。
家康「びっくりした・・・。全く・・・仕方ないお姫様だな・・・」
家康は眠っている歌恋を横抱きにし、褥に寝かせ部屋を後にした。
駿「ただいま戻りました!」
桜花「ただーぃまぁ!」
すぐに子ども達が元気な声で政宗と一緒に帰ってきたが・・・
家康「しーっ。うちのお姫様が眠っているからね。」
家康が人差し指を口の前に立て、歌恋が眠っている事を伝えると政宗、家康、子ども達の4人はそーっと歌恋の寝顔を見に行き・・・
駿「母上全然起きないね。」
桜花「ねっ。」
家康「歌恋は眠り姫だからね。」
政宗「起こしちゃ悪いから俺は帰るぞ。」
全員で小さい声で『おやすみなさい・・・』と声を掛けるとそっと襖を閉めた。
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