第3章 大切な二つの贈り物~二つで一つ~
店主「そう言えば、徳川様、翡翠の石が大小二つ丁度ございます。ご覧になりますか?」
家康「それ見せてくれる。」
店主は『かしこまりました。』といって、小さな箱を二つ家康の前に置かれた。
店主「こちらにございます。まだ成形前の石ですので形はかなり尖っていますがいかようにも整えることはできます。」
見せてくれたのは二つの翡翠の石。
一つは小さめで、耳飾りにあげたものよりも小ぶりで歌恋が言う『はーと』とか言う形に似ていた。
もう一つはでこぼこしていて、大小二つくっついたような形、左側の大きめの方の中央には少し凹んでいて、右側のしたの方はまるで小さな石が半分くっついたかのようだった。
店主「これを採掘してきた者に聞いたところ、おそらくこの二つは大きな一つの石だったのではないかと。それが何らかの原因で割れて、このような形になったと。」
家康はその話を聞いて、この二つの石を使った何か作れないかと店主に話してみることにした。
家康「これを前に作ってもらった形に二つとも出来ないか?]
店主。「そうですね。この大きな方ならば首飾りに着けるのが合うのでは無いでしょうか。」
店主は細長い1本の黒の布を取り出した。