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イケメン戦国『3人の姫と3人の天邪鬼♡※現代』

第7章 【聖夜の翡翠princess】第四幕




二人で窓際のテーブルに腰掛ける。

定番クリスマスソングの、
ピアノ伴奏が流れ……

真っ赤な金刺繍入りのテーブルクロス。
高級な銀製ナイフとフォーク。

真っ白なナフキンの上に、緑色のメモ。
素敵なクリスマスディナーのメニュー。


【Happiness】

グラスに注がれた、
雪のような白い泡と琥珀色の輝き。
キラキラして眩しくて……

ずっと、見ていたい。


「この中に、
沢山の幸福が詰まってるんだね」


息を呑むほど、綺麗な透明な光。



「……人を思う、想いもね」



幼い頃の聖夜。
二人で向かい合わせに座って、
不思議そうに見ていた。シャンパン。


そして、
婚約者として過ごす、
最初で最後の聖夜……

静かに、
グラス越しに見つめ合って……



「「乾杯!」」



ベルのような音を奏でて……


一緒に口運んで……

爽やかで、きりっと締まった大人の味。
幸せな時間と、瞬間を感じて……


「「美味しい」」


暫くして、同時に笑みを零した。


「こちらは、前菜の和風ソースチキン…あれ?おかしいですね。前菜って野菜のはずでは?」


「三成。持ってくる料理、普通に間違えてる」


「ふふっ。もう、メインがきちゃったね!でも、美味しいしそ〜!いただきます」


順番なんて、何でも良い。
そこに想いがあって、幸せなら。
遅刻したって、予定が変わっても。
こうやって、一緒にいれる……

時計の秒針、一つ大切したい。



「ん〜〜!政宗!すっごく美味しい!」


私は頬を押さえて、
一日限定のシェフに笑顔を贈る。



「はい。あ〜〜ん」


「…んっ。……美味い」



家康は優しい笑う。
いつも居座っている眉間の皺。
まだ、今夜は一度も姿を出さない。


「副部長!ピアノ演奏、素敵でした!」


拍手喝采。


「最後はこれ!」

「ふわふわスポンジに、苺がこんなに〜」

「もう、プリンセスじゃなくて、ひまりに戻ってるし」


口元に付いた生クリーム。
家康は指で救って……



「魔法……。
完全に解ける前に……」




そろそろ、連れ去らないと。




魅惑の表情を浮かべ、
赤い舌でペロリと舐めた。



四人にお礼を言って、
ラウンジを出た瞬間……



「本当の城にいこうか」



ふわりと宙を舞う。



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