第7章 Saint Valentine’s Day
〜その後〜
「おいしい〜!」
「うん!すっごく美味しいよ、百合さん」
「んまー!!」
「お前、お菓子作り上手いな」
あれから、私はみんなに作ってきたチョコをあげた
IDOLiSH7にはトリュフ、TRIGGERにはガトーショコラ、Re:valeにはボンボンショコラ。
どれも私が手間暇かけて作ったものだ。
「百合ちゃん!これチョー美味しい!最高!」
「さすが百合ちゃん。モモと同じく最高に美味しいよ」
「えへ……ありがとうございます」
みんな喜んで食べてくれている。
その笑顔を見ていると、なんだか私まで幸せな気分になってきた。
「百合さん」
「ん?どうかした?天」
声をかけられた方を見ると、そこにはTRIGGERの3人が立っていた。
「百合、手、出せよ」
「手?」
何が何だか分からないまま手を出すと楽が跪いて、手の甲にキスをした。
辺りがざわつくのに対し、私はその映画のワンシーンの様な光景に声も出なかった。
楽が口を離すと次は龍が、その次に天がキスをした。
「なっ……えっ……」
「今度、美味しいものをご馳走するよ。だから、ホワイトデーはボクらのために空けておいて」
「えっ、あ……」
はい、と言いかけたとき「天にぃ、待って!」と声がした。
「お、オレだって、百合と出かけたい!だから、ホワイトデーはオレたちのために空けて……?」
陸は子犬の様な目で見つめながら、私の頬にキスをした。
「きゃっ……」
陸がするとそれを合図にしたかの様にIDOLiSH7が片方ずつ順番にキスをしていった。
「ユキ!若い子に負けるわけにはいかないよね!」
「そうだね。モモ」
Re:valeの2人は私の髪にキスを落とした。
私の思考回路はショート寸前、いや、ショートしてしまった。
「僕らからのお返しはカラダでどうかな?」
「ナイスアイデア!ユキ!」
「いやいや。Re:valeさん、それはダメでしょ!?」
またもや、辺りがざわつく。
私は、みんなのざわつきよりも自分の心臓の音の方がうるさく感じた。
手の甲にキス:敬愛
頬にキス:親愛
髪にキス:思慕