
第29章 ばかになった愛はこれから

千side
「ふぅッ……、ぁ、あ、んあっ……!」
「あ゛~~、ほんっと……かわい……」
「んん゛ッ、あ、あぁ゛~~~っ!!」
「うあ゛、それ、やば……!で、あ……でちゃったぁ………」
意識を飛ばしかけている彼女を抱きしめながら、頬ずりをするモモ。
可愛いと可愛いは世界を救える。
僕だって朝のニュース番組の仕事が無かったら、彼女を可愛がっていた。
完全に意識がなくなった彼女のしっとりした肌と、汗の匂いに欲情したのか、また始めそうになったモモを急いで止める。
「こーら。いくら体力がついてきたからって、これ以上はダメだよ」
「えーん。やっぱりまずいよね……」
ガマンシマース、と渋々彼女をベッドに寝かせる。
身体には、痛々しい程の所有印と噛み痕であらゆるところが赤く染まって、中には血が滲んでいるところもあった。
秘部から溢れる白濁と相まって、目に毒だ。
彼女の白くて柔らかい肌が好きだから、止めなくてはと二人して話しているけれど、最中はどうにも夢中になってしまって、自制が利かない。
痛いのももう気持ちいいらしいが、やっぱりお風呂が沁みると涙ながらに訴えてきた彼女のためにできることといえば、お高めのよく効く薬を塗ってあげることくらいだった。
「ユキはこれからドラマの宣伝だっけ」
「そう。昨日は睡眠時間が短かったから少ししんどいけど、行ってくるよ」
「いってらっしゃい。ダーリン♡」
「はいはいハニー。……少しは寝させてあげなよ」
「……はーい」
鬘を被って、サングラスをして、服装も普段とは変えて周囲を気にしながら家を出る。
僕たちは少し前、彼女を手に入れることに成功した。
初めは泣き叫んで嫌がっていた彼女も、今では瞳にハートを浮かべて僕らに愛をささやいてくれる。
僕たち二人の給料で彼女を養うことくらい余裕だったから、仕事は辞めてもらった。
家も新しい場所を用意して、家具も彼女の趣味に合うように揃えた。
ここは僕たちの愛の巣だ。
毎日は来れなくても次時間を縫っては訪れて、彼女と愛を育んでいる。
今日だって朝方までずっと……そんなことを考えていたら僕まで欲情してしまいそうだった。
あぁ……今日は早く帰ろう。
早く帰って二人で彼女をめいいっぱい可愛がりたい。
モモはああ見えて我慢が苦手なタイプだから、きっと直ぐに手を出す。
仕事の件はおかりんに何とかしてもらおうと、歩みを速めた。
