
第24章 最愛をアナタに

「ん、んむ…はふ、は、んんっ…」
「ふ…ふふ、キス、好きですか…?」
「ぁ、ん、す、き…」
ナギの舌が、私の口の中で好き勝手に暴れる。
教えられた通りに必死に舌を動かすけど、気持ち良くて麻痺したみたいに動けなくなってしまう。
絶え間無く送られてくるナギの唾液をコク、コク、と飲み込むけれど、飲み切れず口の端からこぼれてしまう。
それが勿体無くてこぼさないように飲み込む頻度を増やした。
「ん……とてもキュートですよ。キスだけで、こんなにトロトロになってしまって…」
ナギのせいだ。
何も知らなかった私にナギが教えたせいだ。
そう言いたかったけれど、上手く舌が動かなくて喋れなかった。
解きますよ、という声と共にバスローブの紐が解かれる。
恥ずかしい。
けど、隠すとナギを更に煽ってしまう事を知っているから隠したくても隠さない。
「あぁ、相変わらず綺麗な身体ですね…興奮してしまいます」
「な、ぎ、あっ!」
白い手が私の胸に埋まる。
ふにふにと全体を優しく揉まれながら、指で挟むように先端を擦る。
「うあっ、あ、ひんっ、ぁ、うぅ…!」
言葉にならない母音が口から溢れる。
「先にここだけでイきますか?」
「ふぇっ!?や、それ、やぁぁ…!」
胸での快感を教え込まれたせいで胸だけの刺激でもイけるけど、それは嫌だ。
単純に恥ずかしい。
「そうですか……分かりました」
良かった、と安心する間も無く身体が跳ねた。
「こちらも一緒に、という事ですね?」
「ちがっ、ぁ、ああぁ!」
先端を摘まれたり舐められたりしながら、クリトリスを捏ねられる。
快楽が増えただけでなんの解決にもなっていない。
「あぅっ、は、ひ、な、ぎ、あんっ、なぎぃ…!」
「はい。イっていいですよ」
「イっちゃ、イっちゃうぅ…!ひ、んああぁぁ!」
ガクガクと腰が揺れる。
頭のてっぺんから爪先まで電流みたいな快楽が駆け回る。
身体に力が入らなくて、頭が真っ白になる。
何かに縋りたくてシーツを指が白くなるまで握る。
「あ、ぅ…イった、イったから、ゆび、いれちゃやぁぁ…!」
「慣らさないと痛いですよ。ほら、大人しく」
ぐちゃりぐちゃりと酷い音が聞こえる。
抵抗しようにも力が入らない。
いっその事痛くてもいい。兎に角この暴力的な快楽から逃げ出したかった。
そんな思いも虚しく、一度イった身体はあっけなく高みに上り詰めてしまった。
