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12色のアイ

第18章 ばかになっても愛してあげる


ずっと好きだった。
優しい物腰も、意外と力強い歌声も、少し行動が極端なところも。
全部好きだった。
側に居られるだけで十分だった。
これからもマネージャーとして支えたいと思っていた。
それなのに………

「あはっ。百合ちゃん、かーわいっ」
「ほんとに。ねぇ、もっと可愛い声を聞かせてよ」
「あ、ひゃぁっ!う、ぁ、い、やぁぁ…!」
「いやなんて言わないでよ。ほら、気持ちいいでしょ?」
「素直になりなよ。抗うのはやめて、堕ちておいで」
「ひっ、あ、ぁ、やめっ…もも、さ…ゆきさ…ああぁっ!」

どうして私はこの二人の下で啼いている?


数時間前。

「あっ!おっつかれー!」
「百さん!お疲れ様です」
「いやー、最近MEZZO"調子いいね〜。さらに磨きがかかった感じがする!」
「本当ですか!?ありがとうございます!二人にもそう伝えておきますね」
ぺこりと頭を下げて百さんと別れる。
MEZZO"のマネージャーになってからというもの、毎日が充実している。
少し前までは自分がアイドルのマネージャーになるなんて想像もつかなかったけど、今ではこの仕事に誇りを持っている。
スケジュールの管理とか、周りとの付き合いとか、そういった事は大変だけど、その分やりがいがある。
それに……
「マネージャー、おつかれ〜〜」
「お疲れ様です。マネージャー」
「お疲れ様です。環さん、壮五さん」
好きな人もできた。
壮五さんは初めて会った時から優しく接してくれて、その笑顔に恋に落ちるのはたやすかった。
彼はアイドルだし、もちろん付き合いたいなんて思っていない。
側で一緒に仕事ができるだけで幸せだ。
「先程百さんに会ったんですけど、お二人のことを磨きがかかったって褒めてましたよ!」
「そ、そうなんですか?嬉しいなぁ…」
「そーちゃん、ももりんとゆっきー好きだもんな」
「当たり前だろう!?大先輩だよ!?」
「へーへー」
「もう、環くん……あ、マネージャー、僕たちさっき千さんに会ったんですけど、マネージャーに用事があるって言ってましたよ」
「用事ですか?」
「はい。なんでも、伝えたい事があるとか……」
伝えたいこと?なんだろう。
「分かりました。Re:valeさんの楽屋に行けばいいんですかね?」
壮五さんが頷く。
私はその場で二人と別れ、Re:valeさんの待つ楽屋へと向かった。
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