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12色のアイ

第15章 誰にする?(フラウェver)


はぁ……嫌な予感がする……。
なんだよ……お前ら仲良しかよ………。
「七瀬さん、申し訳ないのですが、百合さんは私と先約があるのでドーナツはまた今度ということで」
「はぁ?なんだよその言い方!年下のくせに!!」
「たった1つ違いでしょう?」
ほら……始まっちゃったよ……。
「今日ぐらいいいだろ!?一織はいつも百合のこと独り占めしてるんだから!」
「羨ましい、とはっきり言ったらどうですか?」
「〜〜〜〜〜っっ!!」
「図星すぎて声も出ませんか?」
「う、うるさい!!分かったよ、言えばいいんだろ?言えば!」
陸はづかづかと私の方に力強く踏み出し、後ろから抱きしめた。
「百合は…百合は、オレのだから!!」
「ちょっ…!誰が抱きついていいと言ったんです!?」
………そしてなんやかんやあって今に至る。
え、ケーキとドーナツ一緒に食べるじゃダメなの?
カロリー的な問題??
てか、耳元で大きな声で喧嘩すんな。
ぶっとばすぞ☆
「ねぇ、とりあえず離れて。あと、喧嘩するならケーキもドーナツもいらない」
これだけハッキリ言ったら流石に止めるだろ……そう思った私がバカだった。
離れるかと思った陸の腕には一層力が込められ、一織に手首を掴まれた。
「うぅ〜〜せっかく天にぃから貰ったのに……一緒に食べてくれないの……?」
「え、いや、その」
待って。その顔やめて。
そんな子犬みたいなうるうるした目で見ないで。
耳元でそんな悲しそうな声出さないで。
「…お願い……だめ?」
あ〜〜〜〜。むり、だめ、可愛い、可愛いの暴力反対。
「ま、待って、てか、一緒に食べるのは……」
「百合さん」
「は、はい!?」
呼ばれた方を向くと、そこには私の手を掴んで指先にキスをする一織がいた。
「……実は、このケーキ貴方に食べて欲しいと思って貰ってきたんです……私では……だめでしょうか?」
……私は今まで生きてきて、このあざと可愛い生物に対抗するすべを知らない。
思わず頷きそうになった時に、陸の腕の力が強くなった。
「一織!!こんな時だけ可愛くするのやめて!!」
「はぁ!?今しないでいつするんですか!?」
「そりゃ今だけど!!」
い、いつもの2人に戻った……?
「あ、あのさ、どっちにするとかじゃなくて、一緒に食べるじゃダメなの?」
「「だめ」」
即答かよーーーーー!!!!!
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