第2章 ズルい言い方
ソッ、と、私の脚に触れるものがあった。
「きゃっ…」
「うわ、なんだよ」
見ると、伊豆くんの手が私の膝の上に置かれていた。
「触れって言ったの桃浜だろ…。やっぱりやめるのか?」
「う、ううん。や…やめないで」
私は嬉しかった。伊豆くんが触ってくれた。伊豆くんが触ってくれた。胸の奥がキュンとなった。
伊豆くんの手は、ためらいながらも奥へと進んで来た。もどかしい…でも、ゾクゾクする。
手が脚の付け根に近づくにつれ、自然と伊豆くんの身体も私に近づいてくる。伊豆くんの手が私のおしりに触れたころには、お互いの息づかいが聞こえるくらい近くなっていた。といってもハァハァと荒い息をしているのはさっきから私だけ。伊豆くんはずっと真顔のままだった。
「ん…?」
「な、なに?伊豆くん…」
「桃浜お前、パンツはいてないのか?」
「あっ…。さ、さっき脱がされて…そのまま…」
「そうか…。最後に聞くが、触っていいんだな?」
「うん…早く、欲しい…」
伊豆くんの指先が、私の秘部に柔らかく触れた。
「ひぁっ…!」
私が飛び跳ねると、伊豆くんもビクッと身じろいだ。
「オレ、何か変なとこ触ったか…?」
「ち、ちが…。薬で、敏感になってる、から…。ごめんね、うるさくて…」
「ああ、そうか…わかった。桃浜、オレこういうのやったことないから、痛かったりおかしかったりしたら言ってくれ」
「え…意外、かも。伊豆くん、モテるのに…」
「モテるからって、付き合うとは限らないだろ。オレは本気で好きにならないと付き合わないから」
そうなんだ…。そんな真面目な伊豆くんにこんなことをさせてしまって、なんだか申し訳ないような。でも、それがかえって興奮するような。複雑な気持ちだ。でも、モテることを否定しないあたりは、伊豆くんらしい。