第11章 いざ!出陣! 【11】
『ふぅ~鶴丸は嵐だ…』
薬研「なぁ?大将、大倶利伽羅に何したんだ?」
『えっ?何もしてないはず…馴れ合うつもりはないって言われたし、怒らせたら怖いと思って逃げたけど…?』
薬研「なるほどな。(大将は怖くて逃げたけど大倶利伽羅には潔く身を引いたようにみえたんだろうな、それがかえって気になったってとこか)」
『ねぇ、薬研君?私、大倶利伽羅さんに何かしたかな…?私が気付いてないだけで実は大倶利伽羅さん物凄く怒ってるとか!?』
薬研「いや、大倶利伽羅は怒ってないから大丈夫だ」
『それなら良いんだけど…じゃあ私、小狐丸さんの所に行くね?』
薬研「あぁ」
『小狐丸さーん!』
小狐丸「?ぬしさま?どうしたのですか?」
小狐丸に近付くとコレコレ!とポケットから預かっていた櫛を取り出すとヒラヒラと振ってみせる
小狐丸「あぁ、覚えていてくれたんですね?こんなに早く約束を守ってもらえるなんて思っていませんでしたから…」
『そっか、また何時でもやってあげるよ?」
小狐丸「ありがとうございます。では、早速お願いします。」
『うん!』
私は返事をすると小狐丸さんの後に回り柿をポケットに入れて櫛を髪に通し始めた
小狐丸「ぬしさま?その柿はどうしたのですか?」
『この柿はね、小夜君から貰ったの!お腹空いてきたから今すぐ食べたいけど、一緒に食べる約束したし、薬研君に夕飯後のデザートに食べなさいって言われたから我慢中!』
燭台切「主?」
『ん?』
呼ばれて振り向くと光忠と堀川君と歌仙さんが近付いてきた
『どうしたの?』
燭台切「主のお腹空いたって声が聞こえたから夕飯の支度をしてこようと思ってるんだけど」
『ぁあ!私も何か手伝おっか!?』
堀川「違うんだよ主さん!今日は主さんの歓迎会なんかどうかなって思って」
歌仙「だから主の好きな物を作ってあげたくてね?聞きに来たんだ。」
『えーー!そんなのしなくて良いよ?』
堀川「主さんならそう言うと思ったよ…でもせっかくだから僕達、主さんの歓迎会したいんだ…良いよね?」
私より少し大きい堀川君は腰を屈めて上目遣いで私を見ながらお願いしてきた
『うっ、よ、よろしくお願いします…(堀川君…)』
堀川「やったぁ!」
堀川上目遣い作戦成功!