第10章 いざ!出陣! 【10】
鶴丸は伽羅坊!伽羅坊!と叫びながら大倶利伽羅に抱きついていた
大倶利伽羅は、うるさいぞ!離れろ!と抱きつく鶴丸の顔を押し返していた
『伽羅坊さんは鶴丸が嫌いなんでしょうか…?』
光忠「主、心配いらないよ?二人は仲良しだからね」
『はぃ…』
光忠「鶴さん!主、伽羅ちゃんに挨拶がまだだよ?」
『(伽羅坊…ちゃん…さん?)』
鶴丸「おっ!そーだったな!伽羅坊!いくぞ!」
「引っ張るな!」
二人は私の前に来るとドカッと座り
私は思わずビクッとなってしまった
『(コワイです…)あ…あの……』
「チッ!」
『(ひぃ~~!怒ってる!?舌打ちされた!?)』
思わず光忠の服の裾を握っていた
光忠「?(主、伽羅ちゃんがこわいのかな?)伽羅ちゃん?』
「くそっ!俺は大倶利伽羅だ、馴れ合うつもりはない!」
『あ…(拒絶された?そっか突然現れて主です、なんて全員が納得するわけないですよね…)はぃ…わかりました。大倶利伽羅さん、お名前教えてくれてありがとうございました。今日からお世話になります。よろしくお願いします。それでは私はこの辺で失礼しますね。』
私はそそくさとその場を離れた
光忠「主!?」
鶴丸「おっおい!?」
大倶利伽羅「(なんだアイツは!?……今までの奴等はそんな事言うな!とか、馴れ合いたい!とか言って俺にベタベタしてきたのに!アイツは!……)くそっ!」
私は大倶利伽羅さんが後ろから見つめている事には気付かなかった
そんな大倶利伽羅を見ていた鶴丸と光忠は…
ヒソヒソと…
光忠「ねぇ、鶴さん…」
鶴丸「あぁ、こりゃ面白くなりそうだな!」
離れて行く主の後ろ姿を見ている大倶利伽羅に二人は
鶴丸「伽羅坊!」
光忠「伽羅ちゃん!」
わしゃわしゃと頭を撫でた
大倶利伽羅「なにをする!やめろ!」