第23章 いざ!出陣!【23】
四人で蔵に入ると中にいた人達が両脇に避けて道を開けてくれた
そろそろと扉に近寄ると
『石切丸さん、何か悪い気感じる?』
石切丸「大丈夫だよ」
『そっか、良かった』
ホッと胸を撫で下ろす
太郎「むしろ主のような暖かい気を感じますね」
『っ!!』
太郎「開けてみましょう、大丈夫だと思いますが一応主は下がっていて下さい」
石切丸「そうだね」
石切丸さんは私を背に隠すと太郎さんは扉に手をかけた
ガタガタ…
太郎「開きませんね」
『えっ?開かない?…そっか、私鍵掛けて出てきたからなぁ』
にっかり「鍵?どうゆう事だい?」
私は話ながら扉へ近付く
『この扉…私がここに来る前に住んでた家の玄関の扉と同じだから開いたら家に入れると思ったのに…さっき太郎さんが私と同じ気を感じるって言ってくれたから間違いないと思う…開いたら家に入りたかったなぁ」
そうして扉に手をかけてみると、カラカラと音をたてすんなりと開いた
『ゎあ✨やっぱり私が住んでた家だ!………って、ぇえ!?開いたーー!?にっかりさーん!』
何の抵抗もなく私の手ですんなりと開いた扉に驚き怖くなった私はにっかりさんに飛び付いた
にっかり「っととと、どうしたんだい?」
『扉が開いたぁー!何で!?怖いよー!お化けの仕業!?幽霊の仕業!?イヤーー!斬って!斬って!』
そして更に、にっかりさんにしがみついた
にっかり「主、そんなのいないから大丈夫だよ」
私の背中を撫でながら落ち着かせてくれた
ほんとに?と聞きながら顔を上げにっかりさんを見上げると、あぁ、と優しく微笑み見下ろしていた
にっかりさんから少し離れ振り返り玄関を見る
やっぱりまだ怖いからにっかりさんの服を掴んだままで
玄関の奥には家の中に繋がる廊下が見える
『………怖い…なぜ私の手で開いた?もう一度閉めて開けてみるか…』
玄関の戸を一度閉めて開けてを繰り返す
『…うん、軽く動くね…』
そして戸を閉めると
『太郎さん、もう一回これ開けてみて?』
太郎さんは、はい、わかりましたと玄関の戸に手をかけたが
ガタガタ…開かない
石切丸「私も試してみよう」
ガタガタ…開かない
私がやると?カラカラと音をたて開いた…
『ぇえ!?』