第23章 いざ!出陣!【23】
御手杵「だから突撃はダメだ」
『はぁい』
小夜「主は僕が守る」
『小夜ちゃん!!』
小夜ちゃんの言葉があまりにも嬉しくて頬擦りした
御手杵「んじゃ行くぞ?」
『うん!ドキドキするね?』
そうして御手杵さんに抱っこされたまま蔵の入口へ来ると三人で覗きこむ
すると長谷部さんが蔵にあった物の最後の一個を運び出した所だった
『っ!?』
蔵の中、扉の前には何人か立っていたが見える範囲で確認すると、その扉は私にはとても馴染みのある懐かしい扉だった
『御手杵さん、あの扉…きっと危ない物じゃないよ…』
御手杵さんの抱っこからおりると蔵の裏へ行ってみる
御手杵「おい!どこ行くんだ?」
『あの扉の向こう、陽が当たってるから蔵の裏から入れるか見てくる!』
裏へ回るとそこには普通に蔵の白い壁があるだけだった
『ぇえ!?壁だ…』
私の声が聞こえたのか蔵の中から
厚「裏は壁!?どうなってんだ!?」
薬研「開けてみるか?」
『えっ!薬研君ちょっと待って!』
私は急いで蔵の入口に戻りまた扉を確認する
『あ……っ!………』
涙が滲む
信濃「大将!?どうしたの?」
後藤「どこか痛いのか!?」
『違うの、大丈夫だよ…この扉…開くかな?へへっ』
眉を下げて笑って見せた
薬研「大将、この扉の事何か知ってるんだな?」
『うん、私の勘違いじゃなければ…いっ石切丸さん呼んでくる』
厚「何で石切丸?」
『石切丸さーん!』
石切丸「主、私はここだよ」
三日月さん達と廊下に座って様子を見ていた石切丸さんを見つけるとそのまま走って行って飛び付いた
石切丸「おっと、どうしたのかな?ずいぶん騒ぎになってたみたいだけど」
『うん、蔵の中に扉が出現したの、大丈夫だと思うけど、その扉から悪い気が出てないか見てもらいたくて』
石切丸「それならみてあげよう」
太郎「それなら私も一緒に行きましょう」
『太郎さん!ありがとう!後はにっかりさーん!』
にっかり「えっ?僕にはそんな力ないよ?」
『幽霊が出てくるかもしれないから一緒に来て』
にっかり「はははっ、それならお供しようか」