第21章 いざ!出陣!【21】
私はズルズルと引きずられながら蔵に到着した
『うぅ…私、今日から蔵で生活するのか…ねぇ、ご飯とかお風呂は?良い子にしてたらいつか出してくれる?』
手は掴まれたまま逃げられずにいる私は二人の顔を交互に見ると、二人は眉間にシワを寄せていた
彼らを酷く怒らせてしまったのだと凹んだ
一方彼らは笑いを堪えているだけなのだが…
『寝れる所あるかな?』
大倶利伽羅「ぷっ!あはははは!」
山姥切「もう、やめてくれ…くくくっ!」
『なんで笑うの!?』
すると二人は私の手をあっさり離し蔵へと入っていった
『ねえ!ちょっと!?手、離して良いの?私、逃げるよ?』
それでも後が怖い私は蔵の入口で待っていた
二人は蔵の中をゴソゴソ漁ると何かを持って出てきた
大倶利伽羅「松明もう一本立ててやる」
山姥切「火つけたかったんだろ?」
二人が手に持って来たのは松明セットだった
『えーーー!?なにそれー!………本気で蔵に閉じ込めらると思ったのに…怖かった…怖かったー!』
私はそこにへなへなと座りこんだ
すると二人も私の前でしゃがむと
大倶利伽羅「誰も蔵に閉じ込めるなんて言ってないだろう?」
『あっ…だって…』
山姥切「あんたは蔵に閉じ込めてもうるさそうだ」
『なんだと!?』
大倶利伽羅「ほら、行くぞ」
二人は私の肩をポンポンと叩き行ってしまった
一方私は、腰を抜かして立てなかったのである
『全くこの腰は弱虫だなぁ~私とソックリじゃん?私だけど…はぁ~』
腰を擦りながらチラリと開けたままになっている蔵の中を見ると
『っ!!!』
金色に光る目がパチパチと瞬きをしてこちらを見ていた
『ぁ………だ………っ!』
誰か助けて!と叫びたいが恐怖に震えて声が出ない
私が変な声を出した事に気付いた伽羅ちゃんと広君が戻って来てくれた
そしてやっと笑いが収まったのか長谷部さんも来てくれた
長谷部「主?どうかしましたか?」
山姥切「何を見ている?」
『何かいる!』
私は蔵を指差し言うと三人が一斉に蔵を見るが同時にその目は消えた