第21章 いざ！出陣！【21】

山姥切「何をそんなに急いでいる？」


『私は非常に怒っているのだ！』


山姥切「俺が何かしたのか？一緒にいなかっただろう？」


『私がいないうちにやらかしたのさ！長谷部さん広君連れてきたから伽羅ちゃんとこ行こう！』


長谷部「はい…」


『広君逃げないでね？』


広君の手を離し酒樽を押して行く


『あっ！長谷部さん、伽羅ちゃんどこ？』


あっちです。と長谷部さんが指差す方を見ると伽羅ちゃん発見！伽羅ちゃんに向かって酒樽で突進して行った


ゴロゴロゴロゴロ…
ドンッ！


大倶利伽羅「あっぶねぇ！なんで酒樽が突っ込んで来たんだ！？」


『正体は私でーす！』


私はピョンと酒樽から姿を現すと、伽羅ちゃんは足で酒樽を止めていた


大倶利伽羅「じゃじゃ馬もいい加減にしろ」


伽羅ちゃんはそう言って私をジロリと見下ろした


『ふん！今は伽羅ちゃんに睨まれても怖くないもんねーだ！私の方が怒ってるんだから！』


大倶利伽羅「八当りか」


『違うよ！伽羅ちゃん自覚ないね？』


大倶利伽羅「俺が何をした？」


『松明！私も火、つけたかったのに…』


大倶利伽羅「あぁ、暗くなったからつけた」


山姥切「あんたいなかっただろう？」


いつの間にか来ていた広君と長谷部さん


『転んで手当てしてもらってました！それでも松明やりたかった！……一ヶ所くらい残しておいてくれても良かったじゃんかぁ～ばかぁ～』



大倶利伽羅「チッ、めんどくせー。来い、山姥切も手伝ってくれ」


山姥切「あぁ」


伽羅ちゃんは私の手を掴むとどこかに向かって歩き出した
広君もついてきた


長谷部「お前ら主を連れてどこに行く！？」


大倶利伽羅「蔵だ」


『へっ？蔵！？ヤダヤダヤダ！私を閉じ込めるんでしょ！？ヤダー！ごめんなさいぃぃぃ！』


私は伽羅ちゃんに掴まれている手から逃れようと引っ張ってみるが離して貰えず、もう片方の手まで広君に掴まれてしまった


大倶利伽羅「おとなしくついてこい」


山姥切「悪いようにはしない」


『ヤダよー！怖いよー！ちょっと長谷部さん！』


助けて！と言おうとしたが振り返り長谷部さんをみると両手は強くグーになっていて下を向いていた
伽羅ちゃんと広君が何をするのか気付いた長谷部さんは笑いを堪えていたのである