第21章 いざ!出陣!【21】
薬研「大将、大丈夫か?膝擦りむいて血出てる」
『え?あ……………いたーい!』
薬研「なんだ!?急に叫ぶな!今まで痛くなかったのか!?」
『痛くなかった!けど今痛い!』
薬研「気付かなかったのか…」
『あぅ…いたい…』
薬研「手当てしないとな?」
『え~これ以上痛いのヤダ!消毒するでしょ?』
薬研「菌が入ってもっと酷くなったらどーするんだ?」
『………あっ!良い事思い付いた!私、手入れ部屋行ってくる!一瞬で治ってピッカピカになるよ!』
薬研「やってみるか?」
『良いの!?やった✨』
薬研「あぁ、厚達も連れて行くか?」
『うん!厚ー!後藤くーん!信濃くーん!』
厚・後・信「大将!」
信濃「俺の懐ー!」
三人は私に駆け寄り信濃君はそのまま私の懐にドンッと飛び込んだ
『おふっ!あははっ!』
信濃君の頭を撫でてあげると更に嬉しそうにすり寄った
一方薬研君は、私に気付かれないように厚と後藤君に何か話していた
後藤「大将何か食べるか?」
『あっ!さっき包ちゃんに食べさせたクッキー美味しそうだったの!』
厚「クッキーが良いのか?果物もあるぜ?」
『ぉお!んじゃ全部!』
後藤「欲張りだな?」
厚「腹壊すなよ?」
『はーい!』
厚と後藤君とクッキーや果物をチョコレートにつけて食べていると、いつの間にか引き剥がされていた信濃君も私に気付かれないように薬研君から何か話を聞いていた
薬研「大将、そろそろ行くか?」
『あっ!うん!』
そうして五人で手入れ部屋へ向かった
途中傷口についていた砂を洗い流してもらったが、傷口がヒリヒリジンジンと余計に痛くなった気がした
『…傷口がさっきより痛い…早く治したい…』
薬研「大将、ここが手入れ部屋だ」
薬研君が部屋の戸を開け五人で入ると中は半分が土間のようになっていて資材が置いてあったり半分は畳の間になっていた
『へぇーこんな風になってたんだ?』
薬研「大将は畳の間で横になってくれ、札の準備するからな?」
私は、はーい!と返事をして畳に寝転がった
頭の方には信濃君、足元には厚と後藤君が待機した
薬研君は三人と頷きあうと
薬研「大将ごめんな?」
『ん?』
薬研君は救急箱を持って来た